見えない人にも優しいウェブデザインを
ブラインドユーザーはスクリーンリーダーなどの補助技術を使って情報にアクセスしていますが、適切に設計されていないサイトでは操作が難しくなります。視覚障害者が視覚的な要素に頼らず、全ユーザーが同等にアクセスできるよう工夫されたウェブサイトの作成が、今、求められています。
目次
視覚障害（ブラインド）の方がウェブを使う時の困りごとって？
視覚障害を持つ方々は、スクリーンリーダーや音声読み上げ機能に頼ってウェブを利用していますが、これらが最適化されていないサイトでは正しい情報が伝わらず、操作が困難になります。視覚に頼れない状況下でどのような工夫が必要か、について考えてみましょう。
日常生活でどんなことに困っているの？
視覚障害者は日常生活で視覚情報に頼ることができないため、音声案内や触覚を駆使して行動しています。街中では信号機の音声ガイドや白杖を使用し、スマートフォンやパソコンではスクリーンリーダーを利用しますが、すべてのデバイスやアプリが十分に対応しているわけではありません。
ウェブサイトやアプリ内で画像や動画に関する情報が不足している場合、視覚障害者にとっては大きな問題が起こります。たとえば、画像の代替テキストが設定されていないとスクリーンリーダーが内容を読み取れないため、買い物や情報収集がスムーズに進まないといったことがあり、こうした問題を解決するにはコンテンツの代替テキストや音声入力の精度を上げる対策を施さなければなりません。
ウェブでよくある不便な状況を紹介
視覚障害者がウェブサイトを利用する際、画像やボタンに適切な代替テキストが設定されていないと、スクリーンリーダーは「画像」や「ボタン」としか読み上げられず、操作が困難になります。また、装飾的な要素や無意味な画像が多い場合、それらがすべて読み上げられてしまい、必要な情報にたどり着くまでに時間がかかることがあります。
複雑なナビゲーションも問題で、階層が多いメニューや複雑なリンク構造はスクリーンリーダーでの操作を難しくし、ユーザーがページをスムーズに移動できません。さらに、ポップアップやモーダルウィンドウも視覚障害者にとっては大きな障害で、これらが突然表示されるとスクリーンリーダーが対応できずに混乱が生じます。
解決策と今後の取り組み
これらの問題を解決し、視覚障害者がストレスなくウェブを利用できるようにするには、ウェブデザインにおいて代替テキストの適切な使用やシンプルで論理的なナビゲーションを提供することが考えられます。動的コンテンツを使用する際にはスクリーンリーダーがその変化を認識できるようにし、操作が明確に示されなければなりません。
法律で定められた、企業が気をつけるべきポイント
改正障害者差別解消法は、企業に視覚障害者への「合理的配慮」を義務付けており、対策として視覚障害者がウェブを快適に活用できるようなデザインを意識して採用することが求められています。たとえば、画像に適切な説明を付ける、ナビゲーションを簡潔にする、といった工夫を施すことで、誰もが情報にアクセスしやすい環境を整えられます。
「合理的配慮」って何？視覚障害者に必要なサポートとは？
「合理的配慮」とは、視覚障害者を含むすべての障害者が平等に社会で活動できるよう支援することを指します。ウェブサイトでは、画像に代替テキストを付ける、ボタンやリンクに明確なラベルを付ける、音声ナビゲーションに対応させるなど、情報にアクセスしやすくなる機能が望まれます。
具体的には、代替テキスト（altタグ）を用いて画像やグラフィックをテキストで説明できれば、スクリーンリーダーがその情報を読み上げられるようになります。また、リンクやボタンには具体的な内容を示すラベルを付け、単に「ここをクリック」といった曖昧な表現ではなく行動を明確にする言葉を使用することも必要です。
さらに、ナビゲーションの構造をシンプルにして視覚障害者がスクリーンリーダーで迷わず操作できる設計や、複雑なメニューや多階層のリンクは混乱を招くため、明快な構造を保ってページ移動をスムーズにできるよう環境整備することも求められています。
アクセシブルなデザインにするための基本的な工夫
視覚障害者が不自由なくウェブを利用できるようにするためには、アクセシブルなデザインの工夫が欠かせません。まず、画像には必ず代替テキストを設定し、スクリーンリーダーが内容を読み上げられるようにします。代替テキストは「画像」とだけ記述するのではなく、その画像が何を示しているのか具体的に説明できることがポイントです。
また、ナビゲーションはシンプルで直感的に理解できる構造を保つことが重要です。複雑すぎるメニューやリンクは、スクリーンリーダーを操作しにくくするため、階層を抑え、ユーザーがスムーズに操作できるようにしましょう。リンクやボタンには、視覚的な特徴だけでなく明確なラベルも付けて操作の意図を簡単に理解できるようにすると良いです。
さらに、文字と背景のコントラストを明確にすることも重要なポイントです。コントラストが不十分だと、視覚障害者や視力が低下しているユーザーにとってはテキストが読みにくくなります。WCAG（Webコンテンツアクセシビリティガイドライン）では、コントラスト比の適切な基準が推奨されているので遵守し、すべてのユーザーにとって読みやすいサイトを提供しましょう。
動的コンテンツやポップアップについても注意が必要です。スクリーンリーダーが動的要素を正確に認識できるよう、説明や操作手順を明確に示しましょう。たとえば、ポップアップウィンドウの表示時には、内容がスクリーンリーダーで読み取れるようにし、閉じ方がわかりやすい設計にしてください。
このような基本的な工夫を通じて、視覚障害者も含むすべてのユーザーがストレスなくウェブを活用できる環境を整えられます。企業にとっても、アクセシブルなデザインは法的リスクを回避し、幅広いユーザー層にリーチするための重要なステップとなります。
WCAGで進めるみんなに優しいウェブ作り
WCAG（Webコンテンツアクセシビリティガイドライン）は、視覚障害者を含む全てのユーザーが公平にウェブコンテンツを利用できるように設計された基準です。このガイドラインを遵守することで、多様なユーザーが使いやすいウェブサイトの提供が可能となります。ここでは、具体的なデザイン方法や企業が得られるメリットについて解説していきます。
視覚障害者が安心して使えるウェブサイトの作り方
WCAGに基づくウェブサイトでは、視覚障害者がスクリーンリーダーを通じて情報を音声で取得できるように①すべての画像に代替テキスト（altタグ）を付ける、②ナビゲーションはシンプルで直感的に設計する、③複雑な階層や多すぎるメニューを避ける、④リンクやボタンには行動を明確に示す名前を付ける、といったことを基本としています。
さらに、文字と背景のコントラストを適切に保つことも重要です。WCAGでは、コントラスト比を4.5:1以上にすることによって、視覚障害者や視力が低下したユーザーがコンテンツをより快適に閲覧できるようになるとし、推奨しています。また、突然のポップアップや動的コンテンツは混乱を招くため、表示前に音声で通知するなどの工夫も必要です。
WCAG準拠のメリットと企業のメリット
WCAGを準拠する最大のメリットは、視覚障害者を含むすべてのユーザーにとって公平で使いやすいウェブサイトが提供可能となり、ユーザー体験の大幅な向上と情報へのアクセス拡大が望めることにあります。
また、多くの国でウェブアクセシビリティが法的に義務化されているなかで、企業にとってWCAGに従うことは法的リスクの回避手段になるといえます。さらには企業の社会的責任を果たし、ブランドイメージを向上させる重要な要素にもなります。
WCAGを順守するウェブサイトは、視覚障害者に限らず、年齢やデバイスに制約のあるユーザーにも使いやすく、結果としてアクセス数やエンゲージメントの向上につながります。アクセシビリティ対応は、ユーザー層の拡大やコンバージョン率向上に寄与し、ビジネスの成功につながるカギにもなりえるのです。
ウェブアクセシビリティ強化の難しさ
ウェブアクセシビリティを強化するには、時間と費用がかかります。適切な対応には技術的な開発や継続的な改善が必要であるため、特に中小企業にとっては大きな負担になることが多く、慎重な計画とリソース配分が重要になってきます。
費用がかかる対応策
アクセシビリティ対応にはソフトウェア開発やデザイン変更が必須です。さらに、既存のサイトの大規模な改修を行う場合は外部業者を雇うコストも発生するため、特に中小企業にとっては大きな負担になります。
時間がかかるプロセス
アクセシビリティ対応には継続的なテストと更新が必要で、特に大規模なウェブサイトでは対応が複雑化し、基準を満たすためのレビューやフィードバックの繰り返しに多くの時間を費やします。しかし、すべてのユーザーにとって使いやすいウェブサイトを実現するには、これらの取り組みを行うことは不可欠といっても過言ではありません。
MyLikingでウェブアクセシビリティを簡単に実現
多くの時間と費用がかかるウェブアクセシビリティの改善には、MyLikingの活用がおすすめです。対象のウェブサイトにワンタグを挿入するだけで、読み上げ機能、フォントサイズの調整、コントラスト変更などのアクセシビリティ機能がすぐに利用可能。開発やデザインの手間を省き、低コストで課題解決が望めます。初年度は月額1,000円/税込（年間13,200円）で利用できます。※2年目以降は、年間19,800円（税抜）
MyLikingは手軽さと経済性を兼ね備えた、ウェブアクセシビリティ強化として最適なツールで、
今なら2週間の無料体験期間付きです。是非、MyLikingでウェブアクセシビリティを体験してください。
